今回のフィールドワークは地方国立大の学生だったが
彼らを見ていて私の20歳の頃を思い出した.
悩んで、泣いて、苦悶して、それが青春だった。
恋をして、恋に破れ、安易に自殺まで考えた。
今、思えば、スィートメモリーなのだが、
当時の私と彼らが重なって見えた。
こんなことを言い始めたら、私も年寄りだということなのかも知れない。
しかし、人生を振り返って、彼らのような若者を見つめているのも
楽しいことだ。
何故、フィリピンのイメージが悪いの…
この単純な質問に回答に詰まった。
「あなたたちがフィリピンを知らないからだよ」そういう答えもある。
「先進諸外国がフィリピンを悪くした」そういう答えもあるし
「政治汚職や利己主義だ」という答えもある。
それを含めてフィリピンなのだ。
どの世界でも悪はある。日本にもだ。
その垢に染まった大人たちが世界を歪めているんだよ。
青年の日の夢や純粋さを失わないで欲しい。
昨日、JAICAの水道改善ブロジェクトを見学した。
学生と一緒だったから、詳しい質問をしなかったが、疑問が残った。
何が…
このプログラムが現地に適合しているのかどうかという点だ。
失礼を承知で言わせて貰えば、失敗するだろう。
2000万円で200件への水供給。1件当たり10万円。
今後、供給量を拡大していくというが…
事業としての計画だから事業資金の回収は当然しなければならない。
役員会はある。でもこの役員の選出はどういう基準で行われたのか。
マニラから5時間。通勤圏内ではないし、受給者の生活水準は
おそらく低い。
その中で2ヶ月間支払わねば給水を止めるという。
今後、水道代を払えずに給水を止められる家庭が
続出するのではないかという懸念がある。
次に歓待のされ方だ。
わざわざ、垂れ幕をプリントしての大歓迎だ。
このコストがいくらかかっているかは知らないが
こんなものはハッキリ言って無駄。
学生は喜んでいたが、今は徹底したコスト切り下げを考えるべきだ。
昼食を用意し、カラオケセットまで用意している。
場所柄、昼食を食べる場所すらないのだから
昼食が出されたのは嬉しいことだが、これだってコストはかかる。
前日、ごみ山を回った。
この時の案内に対し、お礼に支払った費用は1000ペソだ。
昼食代金についてお礼に支払いをしようと思ったら
1人300〜400ペソぐらいと言われた。
現場の食事料金がいくらか走らない。
おそらく1人100ペソ前後。とすれば2000〜3000ペソの
礼金を払っている勘定になる。
つまり経営指導といいながら、現実には現地を見ていない。
収入の5%が水道代になるという。
これはライフラインだ。
水の権利をめぐって長男の母方祖父が刺殺された経験もある。
受益者が共同で役員を勤めるなら利権争いはないかもしれないが
一部の金持ちが水道の利権なんか握ったら
将来的に受益者のためになるのだろうか。
水のない生活というのは考えられないが、それなら元々この住民は
どうやって生活していたのだろう。
数年前、バスでサマールを通ったことがあった。
峠の天辺の湧き水に子供たちが容器を抱えて、群がっていた。
そのレベルの生活をしている人たちに水道代の負担は痛い。
最後にこういうことがあった。
生徒の誰かが日本食を食べたいといったらしい。
デモの真っ最中、ものすごい混雑の場所を指定してきた。
旅行代理店から場所を変えたほうがよいと連絡があった。
「もう予約してしまってます」
「そこを何とか、変えられませんか…」
マカティスクエア辺りに変更すれば、混雑はかなり避けられる。
「じゃ、この次の機会にということにしましょう」
何でだよ!学生の学習の機会に援助のあり方を聞きたかった。
別に指定された店じゃなくたって、店なんかいくらでもあるだろう。
その後、パサイのフィリピン料理店でマニラ最後の夜を
大騒ぎして楽しんだ。(楽しんでくれたと思う)
学生たちが相手だ。私にも20歳のときがあった。
なけなしの金をはたいてのフィールドワークだ。
日本の将来を背負う若者たちにもっと真剣に接してやれよ。